函館奉行所|時を超えて蘇る幕末の表舞台ーー新緑の五稜郭に佇む、歴史ロマンの遺構

現代的な佇まいで私たちを迎えてくれるJR函館駅から、タクシーで約10分。
美しい星型の城郭で知られる特別な史跡「五稜郭」のなかに一歩足を踏み入れれば、まるで幕末へとタイムスリップしたかのような洗練された和風建築が現れます。
それこそが、今回ご紹介する「函館奉行所」です。
全国の護国神社や歴史的な慰霊の地を巡る旅において、この場所は「北の大地における激動の幕末維新」を肌で感じるために、絶対に外せない重要なスポットです。
函館奉行所とは?:
開国と戊辰戦争の終結を見届けた北の要所
函館奉行所は、江戸幕府が欧米諸国への開国・防衛対応として、もともと港の近くにあった奉行所を内陸の五稜郭へと移転させたものです。


- 防御を極めた星型の城郭と、未完の「三角形の島」
周囲には美しくも堅牢な星型の堀が巡らされています。
解説によると、本来は星型のくぼみすべてに「半月堡(はんげつほう)」と呼ばれる三角形の島を造り、さらに防御体制を強化する予定だったそうです。
しかし、緊迫した工期の関係から、実際にはわずか1箇所のみの造成にとどまったという、当時のリアルな歴史の痕跡も残されています。 - 畿内から始まった戊辰戦争、その終焉の地へ
幕府の命運をかけて完成した奉行所ですが、江戸幕府としての任務はわずか数年で終わりを迎えます。
畿内(京都の鳥羽・伏見)から始まった戊辰戦争は、北へ北へと舞台を移し、ここ函館五稜郭が最終決戦の地となりました。
旧幕府軍が最後に立てこもり、新政府軍が勝利を収めた、まさに激動の時代の終結地なのです。
現在の建物は当時の図面や写真を元に緻密に復元されたものですが、一歩足を踏み入れれば、かつてこの地で日本の未来を憂い、戦った人々の息遣いと、歴史を今に伝える確かな趣が十分に感じられます。
朝日のなかに佇む、気高い松の木々と新緑

五稜郭の敷地内には、空高く伸びる立派な松の木々が島全体を包み込むように立っています。
5月の晴れ渡る空のもと、朝日を浴びた新緑が歴史ある建物に映える光景は、息をのむほどの美しさです。
かつての戦場は今や緑豊かな市民のオアシスとなり、訪れる者に穏やかで贅沢な朝の時間を与えてくれます。
五稜郭タワーからの俯瞰と、外周1.8kmの歴史散歩

奉行所を訪れる際は、ぜひ「五稜郭タワー」へ登り、その綺麗な星型の全景を見渡してみてください。
緑に囲まれた美しい星の形を目に焼き付けたあと、外周約1.8kmの散歩道を美味しい空気を吸いながら歩けば、まるで幕末の志士たちと同じ景色を見ているかのような深いイマジネーションが湧き起こってきます。
【基本情報】
住所:
北海道函館市五稜郭町43-9
見どころ:
復元された函館奉行所、五稜郭タワーからの眺望、外周1.8kmの散策路
アクセス:
函館市電 「函館駅前」~「五稜郭公園前」下車、徒歩約10分
・運行日:毎日運行
・運賃:函館駅前 – 五稜郭公園前(所要時間:約16分 料金:230円)
JR函館駅からタクシーで約10分
旅の結びに
激動の時代を駆け抜け、この地で命を燃やした人々の歴史の重みを感じられる函館奉行所。
平和で戦争のない世界がいちばん
新緑の美しい五稜郭を歩きながら、その思いをいっそう強く抱くとともに、この地で戦った先人たちの歴史を静かに語り継いでいきたいと感じさせてくれる、特別な場所でした。
函館を訪れた際には、ぜひ少し早起きをして、この新緑美しい五稜郭と函館奉行所の凛とした空気を感じてみてください。


