福井・一乗谷|戦国の歴史と復興の祈りが交差する夜。1万5,000の灯火が結ぶ「絆」の物語

2026年8月。
歴史好きなら誰もが一度は思いを馳せる、
福井・一乗谷朝倉氏遺跡。
この歴史情緒あふれる山間に、1万5,000個もの
キャンドルが浮かび上がる「越前朝倉万灯夜」の
ボランティアスタッフとして、今年も参加してきました。
祈りと感謝から始まった
夏の夜の灯火
もともとこの万灯夜は、2004年の福井豪雨からの
復興の際、全国から駆けつけたボランティアの
皆さんへ「感謝」を伝えるために始まったもの。
昨年灯された文字は「楽」そして今年並べられた
キャンドルが描いたのは「望」の一文字でした。


挨拶で会長さんが語られた言葉が、とても心に
残っています。
「戦国時代の戦災で全てが焼失し、ここには今、
建物としては何も残っていない。けれど、
何もないからこそ、訪れる人それぞれの頭の中に
当時の豊かな世界が浮かび上がる。
そんな『何もない世界遺産』があってもいいのではないか」
福井豪雨からの復興も同じです。
人の願いや希望は、想いを一つにして
受け継いでいけば必ず実現する。
その勇気と希望のお手本が、まさにこの一乗谷にありました。
熊本地震や各地の豪雨被害に遭われた方々の復興と夢の実現を、心から祈るばかりです。
炎天下の汗と、
仲間と分かち合う地元の味
イベントを支えるのは、朝からの地道な
準備作業です。
私達はまずはイベントスタッフの皆さんへの
昼食準備からスタート。
釜で炊き上げたのは、地元・福井が誇る
「ハナエチゼン(華越前)」!
大盛りのリクエストが相次ぐほどの大人気で、
ボランティア同士でご飯をシェアしながら
味わうカレーやコロッケの味は格別でした。
午後からは、通路という通路にコップを約1m間隔
で並べ、水を張り、ろうそくを浮かべて点火していきます。
炎天下で汗を流しながら一つひとつに
火を灯していく時間は、まさに「祈りを形にする作業」です。
山間に響く音色と
歴史の遺構を照らす幻想の夜



夕闇が迫ると、一乗谷は一変して幻想的な世界へ。
武家屋敷や館の敷石跡に灯りがともり、
埋もれた歴史の全貌が光となって浮かび上がります。
高台からはオカリナの澄んだ音色が山間に反響し、
心地よい風とともに流れてきます。
さらに川の対岸から打ち上げられる大輪の花火。
一発一発の反響音が深く谷に響き渡り、
五感すべてで歴史の息吹と人の温もりを感じる
最高のフィナーレを迎えました。
途中、脱輪したお車をみんなで力を合わせて
引き上げるという「お助けマン」な一幕もありましたが(笑)
そんなハプニングも含めて絆が深まる時間となりました。
一乗谷が結んでくれた
「縁」に感謝して
全国の護国神社を巡る旅を続けている私ですが、
こうした地域や歴史を守り継ぐ活動に参加する
ことで、また新しい素晴らしいご縁に恵まれました。
2年目の参加となり、地元の皆さんともすっかり顔馴染みに。
「来年はみんなでどこへ旅行しようか!」と
語り合える温かい仲間ができたことは、人生の大きな宝物です。
「平和で戦争のない世界がいちばん」
戦国の歴史に思いを馳せ、復興への祈りを捧げ、
人の温もりに触れた豊かな週末。
一乗谷が結んでくれた深い縁に心から感謝です。

