伊勢神宮を巡る旅|外宮正宮へ!「式年遷宮」の壮大な営み

お伊勢参りの旅、ついにクライマックス。
豊受大御神(とようけのおおみかみ)をお祀りする、豊受大神宮(外宮)へと参ります。

御木曳(おきひき)行事の熱狂的な終着地点、外宮北御門前。


大勢の奉仕団とともに、「エンヤー!」の掛け声をそのままに参道へと進む時間は、まるで特別な神事に加わっているかのような、鳥肌が立つほどの連帯感に包まれていました。

正宮参拝
御木曳の熱気から、魂を鎮める空間へ


北御門をくぐり、手水舎で清め、さらに参道を奥へと進みます。

正宮の手前、松林に囲まれた広大な敷地。「古殿地(こでんち)」と呼ばれるその場所は、次の式年遷宮で新しい社殿が建てられる御敷地です。

20年ごとに建て替えられるその聖域が、こうして静かに護られていることに、すでに圧倒されます。

いよいよ正宮。
目的の豊受大御神のもとへ。

私はここで、あふれる御木曳の熱気を一度リセットし、心を鎮めました。
いつもより丁寧に、厳かに。
ゆっくりと歩をすすめ、感謝の祈りを捧げます。

この瞬間、外宮の杜のピンと張り詰めた、けれどどこか温かい空気感を、身体のすみずみまで感じ取ることができた気がします。

それは、行事の熱狂とは異なる、魂が深く静まるような感動でした。

鰹木(かつおぎ)の秘密
125社すべて建て替え!?

参拝後、正宮の屋根を見上げると、地元のツウの方からまた一つ、粋な知識を教えていただきました。



屋根の上に横一列に並ぶ丸太、これが「鰹木(かつおぎ)」です。
実は、神宮のすべてのお宮において、外宮系列は奇数、内宮系列は偶数という決まりがあるそうです。

さらにツウなのが、屋根の両端で天に向かってバツ印のように交差している「千木(ちぎ)」の違いです。

先端が垂直に削られている外宮系列は「外削(そとそぎ)」と呼ばれ、そこにあいた風穴の数は「2つ」。

対して、水平に削られている内宮系列は「内削(うちそぎ)」と呼ばれ、なんと穴の数が「2つ半」になっているというのです。

お宮の大小によって全体の規模は変わっても、この「外宮(奇数・外削・2つ穴)」と「内宮(偶数・内削・2つ半穴)」という美学はしっかりと護られているのだとか。

言われてみれば、目の前の外宮正宮の鰹木は確かに奇数で、千木は外削。これから巡る他のお宮でも、この屋根の上の秘密を確認するのが一つの大きな楽しみになりそうです。

そして、もう一つ驚愕の事実が。
私がこれまでに見た月読宮など、どの宮にも隣に「古殿地」がありました。

実は、令和15年の次の式年遷宮までに、この広い神宮の「125の社」すべてが建て替えられていくのだそうです……!

えーっ! 両正宮だけじゃないの!?

125社。
その壮大すぎる営みに、思わず叫んでしまった私。

式年遷宮とは、まさにこの伊勢の地そのものを20年ごとに新しくしていく、世界に類を見ない壮大なプロジェクトなのだと、改めて膝を打ちました。

参道で見つけた
遊び心あふれる「奇跡の岩」たち

正宮参拝を終え、ほっとした気持ちで参道を歩いていると、私の目に、不思議なものが飛び込んできました。地元の方も口を揃える、外宮の参道に隠された「奇跡の岩」たちです。

その1:「プーさん石」の奇跡

北御門から入ってすぐの石垣。ふと見上げると、熊のプーさんにそっくりの石を発見!


愛らしいその横顔に、思わず笑みがこぼれます。
ところが、ツウの方に「反対から見ると違うよ」と言われ、反対側へ回ってみると……なんと今度は、ゴリラのようなユーモラスな顔に!

見る角度で表情を変える、不思議な岩です。
ぜひ自分だけのプーさん、ゴリラを探してみてください。

その2:「亀石」の一枚岩橋

多賀宮(たかのみや)へ向かう途中、石橋を渡りますが、これが見事な一枚岩!


そして、よく見ると亀の形をしているのです。
古くからここにあるこの一枚岩。

背中の部分には、太古からの雨の水しずくによってぽつりぽつりと凹んだ穴ができており、時間の重みを感じさせます。

その3:「寝姿地蔵」に手を合わせる

多賀宮到着直前。参道の一部を形成している岩が、なんと「寝姿地蔵」に見えるのです。


見落としがちな場所ですが、あまりにお地蔵さんの寝姿に見えるため、私もつい手を合わせて拝んでしまいました。旅の終わりに、また一つ心の安らぎをいただいた気がします。

その4:実は……道中で見つけた最高の出会い「ハート形の石」!

お地蔵さんに心を癒やされ、大満足で参道を歩いていたのですが、実は、この外宮の杜で私が遭遇した「最高の出会い」を最後にご紹介させてください。


多賀宮へと向かう途中、ふと目をやった左手の石垣の中に、それは隠れていました。
なんと、これ以上ないほど見事な「ハート形」をした石を発見したのです!

思わず「いいことありすぎでしょう!」と心の中で叫んでしまいました。
厳かなお宮を巡る旅の最後に、こんな可愛らしくてハッピーな発見が待っているなんて。

伊勢の神様は、私たちを温かく包み込んでくれるような、素敵な遊び心も満載です。

基本情報

  • 正宮名:
    豊受大神宮 外宮(とようけだいじんぐう げぐう)
  • 住所
    三重県伊勢市豊川町279
  • アクセス
    JR・近鉄「伊勢市」駅、外宮方面改札口下車。徒歩約8分。

結び

式年遷宮の壮大な営みに触れ、魂を鎮める正宮参拝。
そして、参道で見つけた遊び心あふれる奇跡の岩たち。

今回の外宮参拝は、伝統の重みと自然の悪戯が共存する、まさに「心が豊かになる旅」となりました。
鰹木の数を確認したり、プーさんやハートの石を探したり。

あなたも、ぜひ一度、外宮へと足を運んでみてください。
きっと、あなただけの特別な「奇跡」が見つかるはずです。