大阪護國神社|大阪の護國神社を訪ねて

2023年7月。
翌日からの研修仲間との釜山旅行を控え、私は関空への前日入りを利用して、以前から念願だった場所へ向かいました。
旅の始まりは、名古屋からの近鉄特急「ひのとり」。
初めて体験する抜群の乗り心地と、車窓を流れる夏空。
心躍るプロローグとともに、私は浪速の地へと降り立ちました。
潮香る歴史の道、
住吉から住之江へ

なんば到着後、南海電車に揺られて住吉大社駅へ。
そこから猛暑の中、目的の地を目指して歩き始めました。
道中、私の目を引いたのは、ひときわ巨大な「住吉高灯籠」です。
かつてはこの辺りが海であり、航海の安全を見守る灯台の役割を果たしていたのでしょう。
「軍港や物流の要所」としての歴史が、その常夜燈の堂々たる佇まいを通じて生々しく伝わってきました。
下町の情緒が残る住吉の通りを、汗をかきかき進むことしばし。
ようやく、都会の喧騒を忘れさせる広大な緑が見えてきました。
大阪護国神社とは?
10万5千余柱の英霊を祀る

住之江公園の一角に鎮座する大阪護國神社。一歩境内に入ると、その広大さに圧倒されます。
明治維新の天忠組十柱を筆頭に、西南の役、日清・日露、そして大東亜戦争に至るまでの10万5千余柱。
この数は、沖縄縣、福岡縣に続きます。
その膨大な数の英霊をお祀りするにふさわしく、境内は輝くような緑に満ちあふれていました。
趣のある手水舎で清めようとすると、どこからともなく心地よい風が吹き抜け、汗ばんだ肌をやさしく撫でてくれました。
まるで英霊たちが「ようお参り」と労ってくれているかのよう。
伝統とモダンが融合する、
唯一無二の社殿

ここでふと足を止め、社殿を仰ぎ見て驚きました。これまで巡ってきた護國神社とは、その佇まいが明らかに違うのです。
昭和38年に当時の技術の粋を集めて再建されたこの社殿は、重厚な伝統美の中に、どこかモダンな開放感を湛えています。
横に大きく翼を広げたような構えは、10万5千余柱という圧倒的な数の英霊を等しく包み込むため、あえて既存の様式にとらわれず造られたのだといいます。
さらに、拝殿の奥に鎮座する国内最大級の「御神鏡」を正面から拝めるよう計算し尽くされた視界の広がりは、まさに圧巻。
住之江の広い空と調和し、どっしりと、しかし晴れやかに立つその姿に、大阪という街の力強さを改めて感じました。
御朱印:
大阪の気概

今回授かった御朱印は、大阪の街を力強く守護する神社の気概を感じさせるものです。
十六八重菊に重なる桜紋:
中央に鮮やかに押された朱印。
皇室の象徴である菊の中に、潔く散った魂の象徴である桜を抱くこの紋章は、何度拝見しても深い敬意と感謝の念が湧き上がります。
「大阪護國神社」の墨書き:
一文字一文字に迷いがなく、太く力強い筆致です。
特に「護」や「國」の文字からは、10万5千余柱の御霊を守るという揺るぎない覚悟が伝わります。
令和五年七月十二日:
「ひのとり」の快適な余韻を抱きながら、住吉の下町を汗をかきかき歩き抜いた、あの情熱的な夏の日。
下準備不足が生んだ「必然の遠回り」の末に辿り着いた、私にとっての「達成感」が刻まれた大切な日付です。
季節の祭典
こちらの神社では、歴史を次世代へ繋ぐ大切な祭典が数多く営まれています。
「桜の下で同期の桜を歌う会」 4月第一土曜日:
満開の桜の下、かつての戦友や遺族たちが声を合わせる光景は、想像しただけで胸が熱くなります。
春季・秋季例大祭 5月20日・10月20日:
多数の参列者のもと、厳かに斎行される大阪の祈りの中心地です。
みたま祭 8月14日・15日:
お盆の時期、境内は数多の提灯で彩られ、それはそれは大勢の参拝者で賑わうのだそうです。
アクセス
- 名称:
大阪護國神社 - 住所:
大阪府大阪市住之江区南加賀屋1-1-77 - アクセス:
- 地下鉄四つ橋線・南港ポートタウン線「住之江公園駅」より徒歩すぐ!
- (あえて下町を歩くなら)南海電鉄「住吉大社駅」より歴史の高灯籠経由で徒歩約20分をおすすめします
結びに
下準備がなかったからこそ出会えた、住吉の高灯籠と下町の風情。
そして、辿り着いた先で触れた10万5千の魂と、独創的な社殿。
この「必然の遠回り」こそが、旅の祈りをより深いものにしてくれました。
「平和で戦争のない世界がいちばん」
大阪の心地よい風に吹かれながら、私は翌日の釜山、そしてその先の平和な未来へと思いを馳せました。


