飛騨護國神社|高山の護国神社を訪ねて

2023年7月。
会社関係の親睦ゴルフのために訪れた飛騨高山は、あいにくの雨模様でした。
「今日は中止かな」という声が漏れる中、私は「せっかく遠方から集まったのだから」と、ハーフだけでもプレーすることを提案。
降りしきる雨の中、ボールを見失いながらも仲間と笑い合った時間は、忘れられない旅のプロローグとなりました。
翌朝、雨上がりの爽やかな空気の中、私は高山城址(城山公園)の一角に鎮座する飛騨護國神社へと足を運びました。
飛騨護國神社とは?
歴史を紡ぐ「忠孝苑」の静寂

高山陣屋を抜け、白線流しでも有名な宮川に架かる朱色の「中橋」を渡り、坂道を進むとそこは静寂に包まれた聖域。
この地は戦前まで「忠孝苑(ちゅうこうえん)」と呼ばれ、人々に親しまれてきた場所です。
その歴史は古く、明治10年の西南の役で飛騨から初めて軍人が出征した際、その御霊を祀るため明治12年に「中教院」が設立されたことが始まり。
その後、明治42年に飛騨招魂社として設立が許可されました。
ここには、郷土を守るために尊い命を捧げられた6千5百余柱の御霊が安らかに鎮まっています。
匠の技と
漆喰が醸し出す趣
拝殿の前に立つと、思わず背筋が伸びるような感覚を覚えます。
昔の儘(まま)の姿を留める社殿は、漆喰の壁が美しく、無駄な装飾を削ぎ落とした簡素な造り。
しかし、そのシンプルさこそが、飛騨の匠たちが受け継いできた伝統と、深い趣を醸し出しています。
偶然の出会い、
川原町の常夜燈

街歩きの途中、宮川沿いの川原町でふと目に止まったのが、苔むした石垣の上に立つ古い常夜燈でした。
蔦が美しく絡まるその姿は、かつて宮川の水運で賑わったこの街を、長きにわたって照らし続けてきた歴史の生き証人のよう。
下準備なしで歩いたからこそ出会えた、高山の日常に溶け込む美しい遺構に、思わず足を止め、心洗われるひとときを過ごしました。
高山の夜と、
飛騨牛の口福
前夜は、高山祭の豪華絢爛な屋台が並ぶ「高山祭屋台会館」を見学し、その伝統の重みに感動。
夜は和風居酒屋で宴を楽しみました。
その後の締めくくりは、高山ならではの半弓道場。
たった7m先の的を狙うのですが、これが驚くほど難しい!
呼吸を整え、十射ほど挑みましたが、結果はすべて「0点」の枠外。
真ん中の10点を射止める難しさを通じて、弓道の奥深さに触れた、粋な夜の大人の遊び場でした。

参拝の後は、再び古い町並みを散策。
そこで頬張る「飛騨牛寿司」は、まさに至福のひとときです。
とろけるような肉の旨みが、坂道を歩いた身体に心地よく染み渡りました。
御朱印:
飛騨の歴史

今回授かった御朱印は、飛騨の歴史と誇りが凝縮された一枚です。
「忠孝苑」の添え書き:
右下には、かつての呼び名である「忠孝苑」の朱印と文字が。
場所が刻んできた歴史を今に伝えています。
「飛騨護國神社」の力強い墨書き:
飛騨の山々のように堂々とした筆致です。
令和五年七月三十日:
雨の中のゴルフ、宮川のせせらぎ、そしてこの清々しい参拝。
高山の思い出が鮮やかに蘇る日付です。
祭典
春季例大祭 5月3日
献灯みたま祭 8月15日
秋季例大祭 11月5日
アクセス
名称:
飛騨護國神社
住所:
岐阜県高山市堀端町90
アクセス:
JR「高山駅」よりタクシーで約8分
古い町並みを散策しながらでも徒歩約20分です
結びに
雨に濡れたゴルフコースも、漆喰の壁が美しい静かな社殿も、そして路地裏で見つけた古い灯籠も。
すべてが飛騨高山の深い懐に包まれているようでした。
「平和で戦争のない世界がいちばん」
飛騨牛の美味しさを噛み締め、平和な時代にこの町を歩ける幸せを、英霊たちに感謝した旅となりました。


