和歌山縣護國神社|和歌山の護國神社を訪ねて

2025年4月、戦後80年という節目の春。
私は友人のお誘いを受け、和歌山の山間部に位置する静かなホールでのピアノ演奏会へと足を運びました。

初めて体験するピアノの調べは、戦いの絶えない激動の世界情勢の中でも「穏やかに、時に力強く生きていくんだ」というメッセージを運んでくれるようで、深く心に響くひとときとなりました。

道中の吉野では、山桜が山肌を優しく彩り、春の光を浴びながらのマイカー一人旅は、心洗われる心地よい時間でした。

和歌山縣護國神社とは?
名城・和歌山城に
抱かれた祈りの杜

和歌山市の中心部、和歌山城の広大な城内に鎮座するのが和歌山縣護國神社です。

明治13年に創建され、現在は3万6千余柱の尊い御霊をお祀りしています。

昭和62年の火災により社殿を焼失するという悲しい歴史もありましたが、平成4年に現在の社殿が再建されました。

コンクリート製の近代的な造りながら、城内の深い緑に溶け込み、厳かに鎮座しています。

桜の季節、城と神社が織りなす
「今」の絶景

参拝に訪れたのは、ちょうど桜が満開の季節。

長く続く参道を進むと、淡いピンクの桜が境内を美しく彩っていました。

ふと見上げれば、背後に堂々とそびえる和歌山城の天守閣。

この地を護るお城と神社が、桜の幕に包まれて共演する姿は、思わずカメラのシャッターを切らずにはいられない

今の平和を象徴するような絶景でした。

家族の記憶:
祖父が歩んだ和歌山の地
戦後80年の参拝

私にとって、和歌山は特別な縁がある場所でもあります。

私の母の父、私にとってのおじいちゃんは、終戦間近の40歳という年齢で、この和歌山へと徴兵されました。

幸いにも出兵することなく無事に帰還しましたが、当時の母をはじめ6人の兄弟は、お父さんの帰宅をそれはそれは涙を流して喜んだと聞いています。

おじいちゃんは私が二十歳になった時に和歌を詠んでくれるほど、和歌を愛する心優しい人でした。

戦後80年を迎えた2025年。

おじいちゃんがかつて「お国のために」と汗を流したこの地を初めて訪れ、孫の私が平和な世で参拝できていることに、言葉にできないほど深い感慨を覚えました。

御朱印に刻まれた「紀州の誇り」

今回授かった御朱印には、和歌山の象徴が鮮やかに捺されています。

  • 和歌山城内鎮座(右上)
    その名の通り、お城の守護に抱かれた特別な場所であることを示しています。
  • 大輪の桜(下中央)
    紀州の春を彩る桜の意匠が、和歌山城の「葵の紋」を彷彿とさせる気品とともに美しく配されています。
  • 和歌山縣護國神社の墨書き
    丁寧に綴られた文字からは、再建された社殿の新しい息吹と、変わらぬ祈りの誠実さが伝わってきます。

祭典を通じて平和を願う

和歌山縣護國神社では、季節ごとに大切な祭典が行われています。

  • 5月5日 春季例大祭
    新緑の季節、郷土の平和と発展を祈ります。
  • 8月15日 戦没者追悼平和記念祭
    終戦の日に合わせ、英霊への感謝と不戦の誓いを新たにします。
  • 10月5日 秋季例大祭
    豊かな実りに感謝し、穏やかな日々を願う祭礼です。

旅の彩り:
落ち着きある店内で味わう
「和歌山産」の粋

参拝後、この土地ならではの味を求めて訪れたのが、落ち着きのある佇まいの「田舎茶屋 や万志多(やました)」さんです。

カウンター席に案内され、和歌山産の新鮮なネタが並ぶお寿司ランチを堪能。

職人さんの手さばきを見ながら味わうお寿司は格別で、一人旅の心地よい充足感に包まれました。

アクセスと参拝の基本情報

神社名:
和歌山縣護國神社
(わかやまけんごこくじんじゃ)

住所:
和歌山県和歌山市一番丁3(和歌山城内)

アクセス(マイカー):
三年坂通りの「不明門(あかずのもん)」より入場。
城内の有料駐車場を利用するのが便利です。

管理人のメモ:
今回、城内で見つけられなかった「和歌山縣護國神社」の社号標は、市役所近くにあるそうです。
次回の再訪時の楽しみが一つできました。

結びに:
桜の下で誓う、変わらぬ願い

山あいで聴いたピアノの旋律、城跡に咲き誇る桜、そして祖父が守り抜いた家族の絆。

それらすべてが一本の糸で繋がったような、感謝に溢れた一日となりました。

和歌山の穏やかな風を感じながら、私はまた静かに平和への祈りを捧げました。

「平和で戦争のない世界がいちばん」

おじいちゃんが守りたかった家族の笑顔が、これからもずっと続いていくことを願って。