山梨縣護國神社|甲府の護国神社を訪ねて

「平和で戦争のない世界がいちばん」
この願いを胸に続けている全国護国神社巡りも、いよいよ折り返し地点に差し掛かりました。
2026年4月。
今回の参拝は、私にとって特別なものとなりました。
31歳になる息子との、1泊2日の祈りと癒しの親子二人旅が実現したのです。
「父さんと山梨・長野を巡らないか」という誘いに、二つ返事で応えてくれた息子。
二人で交代しながらハンドルを握り、新東名、中部横断道を走り抜けて、甲斐の国・甲府へと向かいました。
山梨縣護國神社とは?
歴史が幾重にも重なる
「龍華秋月」の聖域

神社が鎮座するこの場所には、古くから風光明媚な地として愛されてきた歴史が重なっています。
江戸時代には、甲府藩主・柳沢吉里公が領内の景勝地を選んだ「甲斐八景」の一つとして、『龍華秋月(りゅうげしゅうげつ)』と称えられました。
当時ここに建っていた柳沢家の菩提寺・永慶寺の山号にちなんだ名で、高台から眺める月影は格別の美しさだったといいます。
その歴史ある地が、明治12年12月。
山梨県から政府軍として西南の役に出征し、亡くなられた50柱の御霊を「神」としてお迎えしたことで、現在の山梨縣護國神社の歩みが始まりました。
現在は、2万5千余柱の英霊をお祀りし、甲府の街を静かに見守っています。
静寂の参道と、父子の語らい
一の鳥居から続く石畳の参道を、一歩一歩踏みしめるたびに、コツコツと響く足音。
その静寂が「今、自分は参拝に来ているのだ」という実感を深くさせてくれます。
銅板葺きに菊の御紋が輝く二の鳥居は、息を呑むほどに荘厳です。
息子と並んで鳥居をくぐるたびに一礼を重ね、正殿へと進みました。
これまでの旅の経緯を語りながら、二人で真心を込めてお賽銭を納め、今日この平和な時があることへの感謝を捧げました。
境内で出会った「小さな平和」


参拝を終え、御朱印をいただきに社務所へ向かうと、そこには心温まる光景が待っていました。
境内の看板猫、「むぎ」ちゃんと「くろ」ちゃんです。
驚いたことに、彼女たちはまるでお家でくつろいでいるかのように、お腹を見せてゴロンと寝そべっているではありませんか。
撫でてあげると、すっかり身を預けてくる愛くるしさ。
「こういう存在に癒されるよね」と微笑む息子。
歴史の重みを感じる境内で、猫たちの無防備な姿こそが、私たちが守るべき「平和な日常」そのものであるように感じられました。
「父の像」に込める想い

境内には、殉職自衛官を祀る「山梨宮(やまなしのみや)」や多くの顕彰碑が並んでいます。
中でも心に深く刻まれたのは「父の像」です。
戦後に残された家族を元気づけ、平和の尊さを次世代へ語り継ぐその姿。
同じ「父」という立場として、改めて平和への誓いを強くさせてくれるものでした。
御朱印:力強い一筆

今回拝受した御朱印は、なんとも感動的なものでした。
中央に太く、力強く揮毫された「山梨縣護國神社」の文字。
筆の勢いからは、英霊たちの生命力と神社の威厳が伝わってくるようです。
一寸の迷いもない見事な運筆を眺めているだけで、背筋が伸びる思いです。
初穂料:300円(※最新の情報は現地でご確認ください)
祭典
春季例大祭:4月5日
みたま祭:8月13日~18日
秋季例大祭:10月5日
アクセス
神社名:
山梨縣護國神社(やまなしけんごこくじんじゃ)
鎮座地:
山梨県甲府市岩窪町608
アクセス:
JR中央本線「甲府駅」下車。
北口2番のりばより、山梨交通バス「武田神社」行きまたは「積翠寺」行きに乗車。「護国神社入口」バス停下車、徒歩約10分。
マイカーの場合は、 中央自動車道「甲府昭和IC」から約20分。
結びに:
諏訪湖の夜、
父子で酌み交わす
参拝を終えた後は、今宵の宿がある諏訪湖へ。
夕食では、料理長が心を込めて腕を振るった、信州牛のしゃぶしゃぶと旬のたけのこ料理をいただきました。
柔らかく甘みの強い信州牛、そして春の息吹を感じさせる香り高い竹の子。
そんな絶品料理に舌鼓を打ちながら、息子と二人でゆっくりとお酒を酌み交わしました。
車中での会話とはまた違い、腰を落ち着けて語り合う時間は、父として至福のひととき。
源泉かけ流しの湯にも浸かり、心も体も満たされ、旅の疲れも心地よく溶けていきました。
明日は、この旅の次なる目的地、長野縣護國神社へと向かいます。


